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CULTURE
Sep 09, 2022
By THEM MAGAZINE

『訪問者』クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展が「銀座メゾンエルメス フォーラム」にて開催

現実と虚構の狭間を問う二人のアーティストによる展示

 

「銀座メゾンエルメス フォーラム」にて、日本の血を引く二人のアーティスト、クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展が開催される。

画像左:Tambour Ancien ©︎Hugard & Vanoverscelde 画像右:Still from Larry Looop#7 courtesy of the artist

1977年千葉県野田市生まれ、ロンドン在住のアーティスト、クリスチャン・ヒダカと1974年アメリカ・シカゴ生まれ、ロサンゼルス在住のアーティスト、タケシ・ムラタ。二人は、名前が示すように日本の血をひいているが、英語圏の文化の中で育ったため、日本の文化や言語とはある一定の距離を持っている。

Tambour Ancien ©Hugard & Vanoverschelde
Band Captain courtesy of the artist and Galerie Michel Rein

ヒダカは、劇場とその建築、西洋の絵画史への参照を特徴とした絵画を制作している。特にルネサンスの思想や芸術に興味を持ち、遠近法や幾何学的な空間記述といった科学的な側面に加え、異教や魔術といった古代思想との関連にも大きな関心を寄せている。本展の絵画では、シンメトリーな構造の中に、ピカソやアルルカン、フラ・アンジェリコのディテール、スカルバのフレーム、カービーのダイアグラムなどが反復する、ハイブリッドな散策を提案している。

Still from Larry Loop #7 courtesy of the artist
Larry Cove courtesy of the artist

一方のタケシ・ムラタは、主にデジタル・メディアを用いて、映像作品や立体作品などで独自のリアリズムを追求してきた。本展に際し、バスケットボールをする、ラリーという犬の映像作品を製作。液体シュミレーターでレタリングされたラリーは、彫刻のようにも見えるが、メタ世界にしか存在しない、ムラタの自画像でもある。

 

コンテンポラリー・アートの中に見るフィクショナルな構造を二つの物語で浮かび上がらせる本展示。タイトルにある「訪問者」とは一体誰だろうか?展覧会に訪れる人のことだろうか。それともアーティスト自身のことなのか。彼らの作品を通じて、私たちはどのような「訪問者」を見出すことができるだろうか。

 

【開催情報】
会期:2022年10月21日(金)〜2023年1月31日(火)
開館時間:月〜日11:00〜19:00(最終入場18:30)
休館日:不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
入場料:無料
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム

中央区銀座中央区銀座5-4-1 8階・9階

 

主催:エルメス財団
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

 

【お問い合わせ先】
エルメスジャポン株式会社
TEL.03-3569-3300

 

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