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ART
Oct 22, 2021
By THEM MAGAZINE

PIERRE-ELIE DE PIBRAC | Catharsis

バレエダンサーの躍動、発散されるオーラ

 

ステージとは不思議な場所だ。集中する大量の視線に火照り、ゆらゆらと発せられた蒸気なのか、ふと演者の周りに一種のオーラのような何かが見えることがある。パリを拠点に活動するアーティスト、ピエール=エリィ・ド・ピブラックが私的でユニークな技法によって捉えようとしたのは、その肉眼で見えるはずのないエネルギーであった。

 

今回、東京・銀座にあるギャラリー「THE CLUB」で展示されるのは、2013 年から15年にかけて、パリ・オペラ座のバレエ団を追った三部作プロジェクト「In Situ」のひとつ「CATHARSIS」。このシリーズでは、世界トップのバレエダンサーたちの鍛え磨き上げられた身体の美を克明に映し出すのでなく、あえて抽象的アプローチで臨んだといい、作家は「バレエ演目が私に与えてくれた強い感情や衝動、発見や幻想を、写真的な観想へと置き換えようとした」と語る。そうして生まれたのは、オーロラのような明媚な色彩、一瞬で鑑賞者を引き込む力強さ、そしてそのままイメージの奥へとのめり込ませる不思議な霊感。写真から溢れるエネルギーのシャワーを存分に浴びれば、確かに心が洗われるようだ。

 

カタルシス

TERM ~11月13日
PLACE THE CLUB
ADDRESS東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6F
OPENING HOURS 12:00-19:00
URL theclub.tokyo

PIERRE-ELIE DE PIBRAC

ピエール=エリィ・ド・ピブラック 1983年、フランス・パリ生まれ。写真家のポール・デ・コードンを祖父に持つ。ソルボンヌの MSG と EDHEC ビジネススクールを卒業した後、2009 年から本格的に作品制作へ取り組む。2020 年には「Hakanai Sonzai」という新たなプロジェクトを日本で実現し、ロンドンの「ナショナル・ポートレート・ギャラリー」とパリの「ギメ美術館」にて展示されることが決まっている。

© Pierre-Elie de Pibrac

Edit_KO UEOKA.

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