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FASHION
Oct 24, 2016
By TORU UKON (Editor in Chief)

ファッションお悩み相談室「あなたならどうする?」 Vol.02 革靴のつま先

今回は、革靴のつま先についてのお悩み。

 

高級な革靴を購入して、恐る恐るおろして履いたら、瞬く間につま先の革底がめくれてしまう。

 

そんな経験はありませんか?

 

しっかりとしたウェルテッドシューズの場合は、おろしたたてだと、ソールの返りが固く、どうしてもつま先が擦れてしまいます。これは歩き方や靴の種類に関係なく、ほとんどのレザーソールの宿命と言えるでしょう。

 

当然、一度減った革底は元どおりになるはずもなく、革靴が履き慣れて、ソールの返りも良くなった頃には、つま先が1〜2ミリ減ってしまっている、、、ほとんどの人がこうした事態に陥っているのではないでしょうか?

 

高価な革靴を買ったら、まだ一度も履いていないのにレザーソールに何かを貼るなんて! 激しい抵抗感を持ってしまうのも当然です。

 

しかし、一度履いてしまってから、つま先の革がめくれ上がってから、では遅いのです。

 

降ろす前に、つま先にチップを貼ることを勧めます。

オススメはヴィンテージ・スチール・チップ。

 

減りが少なく抑えられます。ただ、歩くときに金属音が鳴るので、それが気になる方は、ラバーやプラスチックのチップも選べます。

 

よく、新品のレザーソールにナイフなどで切り傷をつけて滑らないようにする方がいます。かの加藤和彦さんもそうしていました。ファッションショーでも、モデルの履く新品の靴に傷がつけられたのを見たことがあります。

 

新品のレザーソールにそんなことできるなんて、相当勇気がいるな、と思いますが、実際レザーソールは滑るので、身の危険を感じた方は、迷わずそうするのでしょう。それなら、ラバーソールを貼るほうがまだ決断が軽くて済みそうです。実際、僕は《ジョン ロブ》のNASEBYのレザーソールに、ラバーを貼り、さらにつま先にはヴィンテージ・スチール打ちました。

こちらは同じく《ジョンロブ》のCAVENDISHですが、靴を降ろす前につま先補修をしなかったために、つま先部分のレザーソールの減った部分にラバーのチップを埋めました。金属音がしないのと、滑りづらいのは良いのですが、これなら買ってすぐにチップを打ったほうが良かった、と後悔しています。

 

 

高価な革靴を買うと、ソールがカラス仕上げになっていたりして、なかなかまっさらな状態で補修をする気にならないのですが、高価な靴ほど、つま先の磨耗やめくれは許せません。レザーソールが減ってからでは、元も子もないので、高価な革靴こそ、購入、即補強しましょう。

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