Oct 29, 2025
By THEM MAGAZINE
CUT UP Vol.04-01
LOEWE
自由な解釈によるハイブリッド・シャツ
《ロエベ》の2025年秋冬のコレクションをジョナサン・アンダーソンは「アイディアのスクラップブック」のように構想した。シャツやニット、コートといったワードローブの定番アイテムは大胆なハイブリッドによって、既知のものが奇異なものへと変貌する。クリンクル加工を施したライトウェイトのコットンブレンドポプリンシャツと、ミディアムウェイトのウールケーブルニットが、美しいカラーパレットでハイブリッドを遂げた。色彩のブロックと、丸めた和紙のような表情が、クラフトを本質とする《ロエベ》の遊び心を思わせる。
DRIES VAN NOTEN
妖しさを帯びたエレガンス
2025年秋冬の《ドリス ヴァン ノッテン》はビートジェネレーションを代表する作家ウィリアム・バロウズの作品『ワイルド・ボーイズ』をイメージした、煌びやかでありながらも破壊的で退廃的、ダークなロマンチシズムの世界を描いた。ここに紹介するのは、今シーズンの主要ピースのひとつであるオーバーサイズのピーコート。縫製後のコートにエアブラシで手描きされたアザミの花が施され、厚手のブラックの生地の上におぼろげな白い花が陰影のように浮かび上がる。コレクション全体の世界観たるフェミニンさも兼ね備えた、退廃的で危うさに満ちた男性のように闇夜に羽織りたい。
PHOEBE PHILO
ファイロのライフワークたるトラウザー作り
《フィービー ファイロ》の2025年秋冬のコレクション「C」ではエフォートレスなものから、パワフルなシルエットのものまで、いくつかのスラックスが登場した。中でもブランドらしいシックでエレガントなスタイルを形作るのは、背面にウエストから裾までダブルジッパーが配され、シルエットの調節が可能なこちらの一本。ストレートレッグで、適度にリラックスしたフィッティング。ファイロがこれまで紡いできた静かな力強さをグレートラウザーというワードローブに落とし込んだ逸品。
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PHOEBE PHILO
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Photography_TORU OSHIMA
Edit_ETSU ISHIKAWA(Righters).