Feb 20, 2025
By THEM MAGAZINE
SELECT FOR THEM vol.4

《キャプテンサンシャイン》から、ラグジュアリーな素材使いと無骨なディテールが同居するスウィングトップを紹介。

Them magazine編集部がいま注目するドメスティックブランドを厳選し、ブランドのイチ押しのアイテムを紹介する「SELECT FOR THEM」。前回に続く第四弾は、往来のアメリカ製品に影響を受けながら、日本のファクトリーが持つ粋な生地とこだわりの縫製を融合したプロダクトを展開するメンズブランド《KAPTAIN SUNSHINE(キャプテンサンシャイン)》を紹介。
デザイナー児島晋輔氏が2013年に立ち上げた同ブランドは、世界中のユニフォームやワークウエア、トラディショナルなスタイルを単純なヴィンテージとして再現するのではなく、デザイナーのパーソナルな感性や時流の空気感を吸い込み、シーズン毎に素材やディテール、シルエットなどをマイナーチェンジさせているのが特徴である。また、こだわり抜いた上質なオリジナルファブリックが、ブランドのプロダクトの魅力をより一層高めている。ブランドがコンセプトに掲げる“旅へと連れ出したくなる一着”を体現した数々のアイテムは、ラグジュアリーでありながらも扱いやすい生地を採用しており、神経質にならず、洋服とラフに付き合ってほしいというデザイナーの想いが込められている。
今回紹介するアイテムもまた、前述したブランドのこだわりが随所に見受けられる。一見、ナイロンと勘違いしてしまうほどハリ感のあるこちらのブルゾンは、コットンの最高峰とされているフィンクスコットンを採用している。フィンクスコットンとは、世界三大綿の一つであるエジプト綿の中でも、厳格なロット管理がなされたギザ綿のみを紡績した、高品質なコットン糸である。本アイテムでは、繊維が長くコシのあるフィンクスコットンを高密度に編み上げることにより、コットン100%とは思えない上品な光沢とハリのある生地を生み出している。この糸により、ミリタリーやワークといった過酷な現場で採用されたシャンブレーにしているため、軽くて丈夫で扱いやすいうえ、通気性にも優れている。「一般的なコットンと比較して、フィンクスコットンは着用や洗濯を重ねても、ヨレにくいといった特徴があります。その点、経年変化をゆっくりと楽しむことができますし、アイテムを永年愛用できるのはとても魅力的ですね」と郡氏は話す。着想源となったのは、スウィングトップの原型といわれる《バラクータ(BARACUTA)》の定番であり名品である「G9」モデル。スウィングトップに見られるディテールが無骨な印象を残しながら、ラグジュアリーな素材使いとジャストフィットなサイズ感で時流にアップデートされている。また、これまで展開してきたブルゾンに比べ、リブのテンションが強い裾や袖口には、落ち感のある生地が程よいボリューム感でたまり、独特なシルエットを描いている。無骨さとラグジュアリーが同居した本アイテムを身に纏って、今年もアクティブな旅にたくさん出掛けよう。
《問い合わせ先》