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FASHION
Sep 24, 2018
By THEM MAGAZINE

【インタビュー】REIKO MASUDA at ThReY

あの会員向けBAR店主が手がける、新感覚セレクトショップ


 恵比寿のBAR「CASBA」。ファッション業界人なら一度は耳にしたことがあるだろう。多くの業界人や著名人が夜な夜な集うこのBARは、長年をかけて独自のコミュニティを作り上げ、東京のカルチャーシーンの一端を担ってきたといってもいいほどだ。そんな愛され続けるお店を切り盛りするのは、オーナー増田令子氏。お店の他にも、DJとして出張パーティを開き、「渋谷のナイト」という自身のラジオ番組まで持つほどマルチな才能を発揮する増田氏が、今度はセレクトショップをプロデュースするという。9月22日のオープンに先駆けそのショップ「ThReY」を訪ねてみると、「CASBA」の混沌とした雰囲気とは異なった、和モダンな空間が広がっていた。自身が手がけるブランド《Paradise!》に身を包んだ増田氏は、笑顔で店内に招き入れてくれてくれた——

——まず増田さんご自身のブランド《Paradise!》について教えてください。どのような経緯で始まったのでしょうか?

 

 《Paradise!》を初めて公に発表したのは今年の2月です。私は月一で「渋谷のナイト」という番組のパーソナリティを務めていて、収録時に毎回いろいろなキャップを被っていたんです。それを見た森くん(=ブランド《M》の森亮一ディレクター)が、「キャップのブランドをやってみない?」と声をかけてくれたのが始まりです。そしてすぐに《TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.》の宮下くん(=デザイナー宮下貴裕氏)が、「自分の展示会で1ラック貸すから、一緒に展示しませんか」と後押ししてくれて。展示会をやるのにキャップだけというのもなと思い、Tシャツも急いで作りました。

それから間もなく森くんからセレクトショッププロデュースの依頼をもらいました。「CASBA」をオープンしてから今年で22年経ちますが、実は 開店のころからずっとセレクトショップをやりたいと思っていたんです。買い付けメインで、和を意識した店内という構想でした。とはいえ、私は自ら知り合いに「セレクトショップをやりたいんだけど」と言えるタイプではなく。だから森くんが誘ってくれたときは嬉しくて、すぐに「やりたい!」と返事しました。彼もその即答ぶりに驚いたみたいでしたね(笑) 。

——このお店でも《Paradise!》は多く取り扱われていますね。それでは、「ThReY」という店名の由来について教えてください。

 

 私と森くんと白井くんの3人で企画したショップだから、3(THREE/スリー)で「ThReY」みたいな(笑) 。

 

 

——「ThReY」の“T”“R”“Y”が大文字なのはなぜでしょうか?

 

 実は私が決めたわけではないのですが(笑) 大文字の部分だけを読むと“TRY”(挑戦)と読めるからですね。また、お店を運営するメンバー3人の下の名前の頭文字が“T”“R”“Y”だという偶然もあります。

——内装もプロデュースされています。こだわった点を教えてください。

 

 20年前から思っていた「和」を基調としたものをやろうと思いました。店内には60年代のアンティークポスターを、きちんと裏張りして飾っています。「和モダン」を強く意識していて、パーテーションには障子、ディスプレイ台には畳、照明にはイサム・ノグチのものを使用しています。私の強い希望で中国家具も取り入れましたが、ちょうどいいサイズのものがなかなかなく、必死で探しました。洋服というのはやはり“洋”モノですが、それをあえて和の要素で演出したかったのです。

——オープンに合わせて作られたという、総勢8ブランドとのコラボレーションアイテムも話題になっています。


《BEDWIN & THE HEARTBREAKERS》《DELUXE》《HYSTERIC GLAMOUR》《TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.》《TSUYOSHI NOGUCHI》《UNDERCOVER》《MIYAGIHIDETAKA》《TRIPLE ACE CLUB》と錚々たる顔ぶれですが、それぞれのブランドとどのようなつながりがありますか?

 

 例えば《UNDERCOVER》のジョニオくん(=デザイナー高橋盾氏)や《HYSTERIC GLAMOUR》の信ちゃん(=デザイナー北村信彦氏)は古くからの付き合いで、野口強さんとは、私が彼の仕事の運転手をやっていたほどに、同じ釜の飯を食べていたほどの友人だったりします。「CASBA」を通したさまざまな繋がりから生まれた企画ですね。デザインは“CASBA=増田令子×ブランド”という形でお願いしました。例えば《UNDERCOVER》のデザインには、モチーフに私が入れているタトゥーが掘られています。

 

 

——今後もこのようなコラボレーションは続くのでしょうか?

 

 そうですね。今後の企画も考えています。今回はカットソーメインのコラボですが、今後は他のアイテムにも挑戦したいですね。お店としても、もっとエレガントなアイテムも展開していきたいと思います。自分が着たいと思える服はなかなかなくて、実はいろいろノートに書きためているんです。これからのお店の展開も楽しみですね。

 

 

ThReY

ADDRESS 東京都渋谷区猿楽町2-7
OPENING HOURS 12:00 – 20:00
TEL 03-5728-6600
WEB threy-2018.com

 

 

Edit_Ko Ueoka

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