Them magazine

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ART
Nov 04, 2020
By THEM MAGAZINE

Matthew Barney, Carolee Schneemann, Kazuo Shiraga, Min Tanaka

4人のアーティストから見る、人間の具現化の共通言語

北青山にある「ファーガス・マカフリー 東京」にて、マシュー・バーニー、キャロリー・シュニーマン、白髪一雄、田中泯による四人展が開催中だ。

「身体性」をテーマにキュレーションされた本展には、国や世代の異なるアーティストたちによる、作品を制作する行為そのものを意識させる作品が集結する。

 

KAZUO SHIRAGA Hiruko, 1992
CAROLEE SCHNEEMANN Up to and Including Her Limits, 1975-2008

天井から垂れ下がるロープにぶら下がり、素足を使って描く「アクション・ペインティング」で知られる白髪一雄。今展では、これまでほとんど展示されてこなかったという黒単色作品『蛭子』(1992)を見ることができる。キャンバスには足跡がくっきりと残り(白髪作品では珍しい)、制作という行為そのものがはっきりと作品に残されている。
白髪作品の前方には、パフォーマンス・アーティストとして知られるキャロリー・シュニーマンによる作品が設置された。彼女のパフォーマンス『Up to and Including Her Limits』(1975〜2008)は、上下に動くハーネスに体を固定し、ペンシル・クレヨンで壁や床に描く作品。宙に浮いた状態で描くという類似した手法による白髪とシュニーマンの2作だが、まったく異なった結果が生み出されている。

 

MIN TANAKA dance, 2020
MATTHEW BARNEY The Cabinet of Nisshin Maru, 2006 / DRAWING RESTRAINT 9: Nisshin Maru, 2005

田中泯は、Covid-19パンデミック渦、山梨県での隔離生活中に撮影された15分の映像作品。マシュー・バーニーは、日本の捕鯨船をテーマにした、長編映画、大型彫刻、写真作品群から成る『DRAWING RESTRAINT 9』(2005)より、その一要素である『The Cabinet of Nisshin Maru(日新丸)』(2006)の彫刻作品、写真作品が展示されている。

それぞれの作品が呼応しあい、多様な角度から芸術における身体性を考察し、探求できる今展。丁寧なキュレーションの元、ミュージアムピースとも言える大作が並ぶ圧巻の内容を見逃さないようにしたい。

マシュー・バーニー、キャロリー・シュニーマン、白髪一雄、田中泯

TERM ~2021年1月23日
PLACE ファーガス・マカフリー 東京
ADDRESS 東京都港区北青山3-5-9 1F
OPENING HOURS 11:00-19:00(火-土) (日・月・祝・年末年始 休廊)
URL fergusmccaffrey.com

 

 

Installation view of Matthew Barney, Carolee Schneemann, Kazuo Shiraga, Min Tanaka at Fergus McCaffrey Tokyo, October 2020. All Artworks © Artists; Photo by Ryuichi Maruo

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