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FASHION
May 15, 2020
By THEM MAGAZINE

Interview with Joshua Willis & Anthony Franco as SECOND/LAYER

テーラリングによる計算されたシルエット、上質なマテリアルを使用したプロダクトによるコレクションが特徴の《セカンドレイヤー》。南カリフォルニア発のスケートカルチャーをバックボーンに持ったブランドのなかでも独自の存在として注目を集める彼らが、《ボース》とのコラボレーションを発表。「古いものと新しいもの」「東洋と西洋」「洗練さとラフさ」など、相反する要素の融合をコンセプトに掲げるパリのシューズブランドとの競合という、異色のコラボレーションが生まれた理由とは?Joshua WillisとAnthony Francoふたりへのインタビューから読み解きたい。

 

――兄弟であるJoshua WillissとJacob Willis、そしてその友人であるAnthony Francoによるブランドだそうですが、《セカンドレイヤー》を立ち上げることになったきっかけを教えてください。

 

19歳のころに知り合ったのが最初かな。2013年に《Agency KA》というクリエイティヴ・エージェンシーをスタートし、一緒にいくつかのプロジェクトを手掛けたんだよ。他のブランドのために10年ほど働いた後は、一握りのブランドに絞って仕事をしていた。そのうち好きなものに出会わなくなったことで、自分たち自身のために何かをするときが来たんだと感じ、《セカンドレイヤー》をスタートさせたんだ。

《both》×《Second Layer》

――拠点であるカリフォルニアにゆかりのあるスケートやサーフィンカルチャーにインスパイアされているとのことですが、一般的にイメージされるグラフィック中心だったり、イージーさだけを追求したカジュアルウエアとは異なり、シルエットのこだわりや落ち着いた色使いのアイテムが多いように見受けられます。こうしたカルチャーのどういった側面をコレクションに落とし込もうとしたのでしょうか?

 

どういうカルチャーをどのように取り入れているのか、それをピンポイントで説明することは難しいけど……そもそも、そういったカルチャー的な要素を意図的に取り入れようとは思ってはいなかったんだ。実際にスケートやサーフィンをできない人たちがスケートやスケートを取り入れたファッションブランドを作っているけど、俺たちはその正反対。スケートやサーフィンと共に育ってきていて、そこにはいつだって“継続は力なり”という学びがあり、それらがブランドの精神にも自然と注入されているだけのこと。型にはまらないということも重要だと考えているよ。

 

 

――スーツといったテーラードアイテムに重きを置いたり、チカーノ(メキシコ系アメリカ人ギャング)のスタイルから着想を得ているそうですが、あなたたちデザイナー自身のスタイルにもリンクしているのでしょうか?

 

俺たちは90年代のメキシコ系アメリカのストリートカルチャーの中で育ったメキシコ人だから、これもまた自然なことなんだ。身だしなみを整えることが誇りであるということを、ガキのころから叩き込まれた。当時はその正反対の服装をしたいと思っていて、それこそスケートやサーフィンに憧れるようになっていったんだ。でも今では、昔近所で見かけていた小綺麗な格好をした兄貴たちに敬意を払って、服作りをしているよ。

 

 

――ブランドを立ち上げる前からテーラーリングの技術や服作りの経験などのバックボーンはあったのでしょうか?

 

俺たちのバックグラウンドはデザインとブランディングといったもので、テーラリングやパターンについて勉強してきているわけではないんだ。自分たちで解体と再構築、破壊と創造を繰り返すことで学んできた。テイストやスタイル、服作りへの考え方が俺たちを自然に導いてくれたから、ここまで成長し、生産することができるようになったんだ。デザイン面については何も問題はなかったけど、ビジネス面では乗り越えなければいけない局面もあったね。

 

 

――コレクションを制作する上で、拠点であるカリフォルニアのカルチャーや人々の装いなど、どのくらいインスピレーションを受けているのでしょうか?

 

インスピレーションは常に自分たちの日常だったり、記憶や経験、友人達からきている。突飛なものでなければ、おとぎ話や夢物語でもない。完全にリアルな自分たち自身を表している。中でも聴いている音楽というものは、コレクションイメージのトーンを決定付ける重要なものの一つかな。

《both》×《Second Layer》

――《ボース》とのコラボレーションについて教えてください。どのようなきっかけから今回の取り組みが実現したのでしょうか?

 

最初に《ボース》サイドから、彼らのファクトリーユニフォームを再解釈したものを作りたいという依頼を受けたんだ。工場の労働者たちは自分たちの仕事に大きな誇りを持っていて、俺たちはそんな彼らに対して大いなる尊敬を抱いているよ。そこから生まれたカプセルコレクションは、《セカンドレイヤー》が得意とするテーラリングやデザイン感性、そして《ボース》が持つ実験的精神やコンテンポラリーなヴィジョンが融合したものとして仕上がったと思っている。

 

 

――《ボース》のプロダクトを生産している工場のワークウエアからインスピレーションを受けたとのことですが、どのような部分に惹かれたのでしょうか?

 

チームワークと仲間意識が生むコラボレーションプロセス、そして工場労働者たちが仕事する姿そのものにインスパイアされたよ。自分が他人の目からどのように映っているかということに誇りを持てるようになると、自分自身が良い気分になれるだけでなく、自分の仕事にもよい結果をもたらしてくれるし、周りの環境もよりよい場所になっていくんだ。

 

 

――今回のコラボレーションで使用された漢字の「二」を取り入れたロゴは、どのようにして生み出されたのでしょうか?

 

「仲間意識」やコラボレーションといったものがコアコンセプトになっていて、それらが漢字の「二」を用いたスペシャルロゴへと昇華されている。異なる文化的背景を持つふたつのクリエイティヴチームが共同で取り組んだ、本プロジェクトのシンボルとなっているよ。

 

 

――《セカンドレイヤー》のクリエイションの背景を知る上で、参考になる映画や本などがあれば教えてください。 

 

ひとつの映画や本に絞って《ボース》x《セカンドレイヤー》のコラボレーションを定義することはできないけど、今回のコラボレーションは工場で見たワークウエアに関するものだから、その雰囲気を感じられるいくつかの作品を紹介するよ!

 

 

 

1.Kissing the Pink – Big Man Restless
2.Executive Slacks – The Bus
3.El Aviador Dro- Himno Aero 
4.Joachim Witt- Herbergsvater 
5.Boys & Girls At the University- Student Fashion (Anti Fashion)
6.Genesis P-Orridge- The Decaying Matter Ov Family L-O-V-E
7.Damon Edge- I’m a Gentleman
8.Siglo XX- The Art of War
9.Chrome- She Is Here
10.Charlie Megira – Turn Around
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