サンプルを着用する津村耕佑氏(右)と《ランドロード》の川西遼平氏(左)

FEATURE | 06, Mar, 2018

Their Voice_LANDLOAD and Kosuke Tsumura

「鬼っ子が生まれたなって感じです」
 津村耕佑氏はNYから到着したばかりの《ランドロード》のコラボレーションアイテムのサンプルを見てこう述べた。「(自身が手がけていた)《ファイナルホーム》はサバイバルウエアで、人をレスキューする“善良な市民”のような服をデザインしていたので」。

 2018-19F/W NYコレクションでランウェイを行った川西遼平氏率いる《ランドロード》。パンクカルチャーからインスピレーションを得たというコレクションでは、ブランド初となるウィメンズルックや《ブラックミーンズ》、《アルファ・インダストリーズ》とのコラボレーションを実施。そしてランウェイでは、元《ファイナルホーム》デザイナーである津村耕佑氏と手がけたカプセルコレクションも披露された。
 偶然の出会いが、意外という他ないこのコラボレーションのきっかけになったと川西氏は語る。「新宿で《リトゥンアフターワーズ》の山縣さんと飲んでいたときにお見かけしたんです。半年くらい前に一緒に何かやりたい、ということで共通の知人を介して依頼しました」。日本で打ち合わせを行い、その後津村氏はNYにある《ランドロード》の工場にも訪れている。ブランドの生産背景を知ってもらった上で、できることを考えてもらったのだという。津村氏の帰国後一週間も経たないうちに、川西氏のもとにはフォトコラージュなどで作ったコレクションのコンセプトイメージが届いたそうだ。「大枠を組み立ててもらいながら、僕たちが解釈する余白を残してくれていたので、そこからコレクションを組み立てながら、ほかのアイテムとのラインナップを考慮しながら選びました」。
繊細さよりラフさにこだわったというコレクションは、バッグをモチーフにした10型のプロダクトで構成されている。前身頃や襟裏にバッグの取手やベルトをあしらい、ミリタリーバッグをウエアに作り直したようなビッグシルエットのデザインが特徴だ。そしてこれらのアイテムにはすべて、「“ファイナルホーム”を墓場と解釈」した、パーソナルエフェクトバッグ(負傷者の品物や遺品を収納するミリタリーバッグ)のタグに、津村氏がデザインしたタイポグラフィを用いたグラフィックがあしらわれている。
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《LANDLOAD》2018-19F/W
他のブランド同様、今後も津村氏とのコラボレーションは継続する予定だと言う。今回発表したプロダクトがアップデートされていくのか、はたまた新しいアイテムが生み出されるのか? 鬼才二人が生んだ、“鬼っ子”の成長が楽しみである。

Text_JUNICHI ARAI